“ケアの価値”を見える化する――介護現場におけるバリューチェーンの視点

「この業務、本当に利用者のためになっているのだろうか?」 そんな疑問を感じたことはありませんか?

介護現場では、日々の業務がルーチン化しやすく、作業の目的や価値が見えにくくなることがあります。

 

そこで注目したいのが、「バリューチェーン(価値の連鎖)」の視点です。

1. バリューチェーンとは?

バリューチェーンとは、製品やサービスが顧客に届くまでの流れを「価値を生み出す工程」として捉える考え方です。

もともとは製造業や経営戦略で使われてきましたが、介護・医療の現場にも応用できます。

 

この視点を取り入れることで、

 

どの業務が利用者の満足やQOL向上に貢献しているか

どこにムダや非効率が潜んでいるか を“工程単位”で見直す

 

ことができるのです。

2. 介護サービスの流れを「価値の連鎖」で整理する

介護現場における主なサービスの流れを、バリューチェーンとして整理すると、以下のようになります。

 

アセスメント(Assessment)  利用者の状態やニーズを把握する工程。ここでの情報収集の質が、後のケア全体に影響します。

・計画(Planning)  アセスメントをもとに、ケアプランを立てる工程。多職種連携や本人・家族の意向を反映させることが重要です。

・実施(Implementation)  計画に基づき、実際にケアを提供する工程。職員の技術や対応力が、サービスの質を左右します。

・記録(Documentation)  実施内容や利用者の反応を記録する工程。情報の共有や次のケアへの活用に不可欠です。

・振り返り(Evaluation)  ケアの成果を確認し、必要に応じて計画を見直す工程。改善の起点となる重要なステップです。

 

このように、各工程が連携しながら「価値の連鎖」を形成しているのです。

3. バリューチェーンで“ムダ”を見直す

バリューチェーンの視点を持つことで、次のような改善が可能になります。

 

・価値を生まない業務の見直し  例:重複した記録、意味の薄い会議、使われていない帳票など

・付加価値の高い工程への集中  例:アセスメントや振り返りの質を高めることで、全体のケアの質が向上

・業務の流れの“見える化”  工程ごとの役割や目的が明確になり、チームの連携もスムーズに

まとめ:ケアの価値を“工程”で育てる

バリューチェーンは、単なる業務の流れではなく、「価値を生み出す連鎖」として捉える視点です。

この考え方を取り入れることで、スタッフ一人ひとりが「自分の仕事がどう役立っているか」を実感しやすくなります。

 

日々の業務に追われる中でも、“価値”に目を向けることが、現場の力を引き出す第一歩になります。

ぜひ、あなたの現場でもバリューチェーンの視点を取り入れてみてください。