
2026年診療報酬改定では、報酬の見直しだけでなく、 コンプライアンス(法令遵守)と運営基準の強化が大きなテーマとなっています。
不適切な誘導の禁止、記録の厳格化、過疎地域への配慮など、 訪問看護ステーションの“信頼性”を高めるための改定が多く盛り込まれました。
本稿では、運営基準の強化と地域支援の視点から、 訪問看護ステーションが押さえるべきポイントを整理します。
① 不適切な誘導の禁止――利益供与の規制が強化
今回の改定では、 利用者を特定の医師・事業者へ誘導する見返りとして金品を受け取る行為が明確に禁止されました。
同様に、 医療機関側が訪問看護ステーションへ誘導する見返りを受け取ることも禁止されます。
● ポイント
・利益供与の線引きが明確化
・事業所内でのルール整備が必須
・職員教育の強化が求められる
② 記録の適正化――開始・終了時刻の記録が義務化
訪問看護記録書に、 訪問開始時刻・終了時刻の記録が義務化されます。
● 影響
・記録の精度向上が必須
・訪問時間の算定ルールとの整合性が重要
・ICT記録システムの導入が加速
「漫然と行う訪問看護は認めない」というメッセージが明確に示されています。
③ 過疎地域への配慮――移動+訪問の合計時間を評価
「特別地域訪問看護加算」が見直され、 移動時間だけでなく、移動+訪問の合計時間が長い場合も評価されるようになります。
● 意義
・過疎地域での訪問看護の持続可能性を支援
・移動負担の大きいステーションへの追い風
・地域格差の是正につながる改定
④ “信頼される訪問看護”のための運営体制づくり
今回の改定は、 「質」だけでなく「信頼性」を問う改定です。
● ステーションが取り組むべきこと
・利益供与防止のルール整備
・記録の標準化と監査体制の構築
・過疎地域支援の戦略づくり
・職員教育の強化(倫理・記録・法令遵守)
訪問看護ステーションは、 地域にとって“安心して任せられる存在”であることが求められています。
◆ まとめ
第3回・第4回を通じて見えてくるのは、 2026年改定が「専門性」「連携」「信頼性」を軸にした大きな転換点であるということです。
・専門性の評価(精神科・難病・乳幼児)
・ICT活用と医療情報連携
・不適切な誘導の禁止
・記録の厳格化
・過疎地域への配慮
これらはすべて、 “質の高い訪問看護を持続可能にするための改定”と言えます。




