
訪問介護の現場では、慢性的な人材不足が続いています。
求人を出しても応募が少なく、せっかく採用してもすぐに辞めてしまう・・・
そんな悩みを抱える事業所も少なくありません。
今、求められているのは「採用」よりも「定着」。
つまり、“辞めない職場”をどうつくるかという視点です。
今回は、現場の声を活かした職場づくりのヒントを、管理者・経営者の立場から考えてみましょう。
「辞めない職場」は偶然ではない
スタッフが長く働き続ける職場には、共通する特徴があります。
それは「人間関係の良さ」「安心して働ける環境」「成長の実感があること」の3つです。
これらは偶然に生まれるものではなく、日々の運営やマネジメントの積み重ねによって育まれるものです。
「うちは人がすぐ辞めてしまう」と感じているなら、まずは“辞めない理由”を持つ事業所との違いを見つめ直すことが第一歩です。
“関係性の質”が職場の空気を変える
訪問介護は、基本的に一人で利用者宅を訪問する仕事です。
そのため、スタッフ同士の交流が少なく、孤独感や不安を抱えやすい傾向があります。
この「見えない孤立」を防ぐには、日々のコミュニケーションの質を高めることが重要です。
たとえば、朝礼や終礼での声かけ、LINEやチャットツールを活用した情報共有、定期的な1on1面談など、小さな工夫の積み重ねが信頼関係を育てます。
「困ったときに相談できる」「自分の意見を聞いてもらえる」・・・
そんな安心感が、離職の抑止力になります。
キャリアパスと役割の“見える化”
訪問介護の仕事は、どうしても「単調」「評価されにくい」と感じられがちです。
そこで大切なのが、スタッフ一人ひとりの成長や役割を“見える化”することです。
たとえば、経験年数やスキルに応じたキャリアパスを明示し、「次はサービス提供責任者を目指そう」「新人指導役として活躍しよう」といった目標を持てるようにします。
また、日々の業務の中で「ありがとう」「助かったよ」といったフィードバックを意識的に伝えることも、モチベーションの維持につながります。
管理者の関わり方がすべてを左右する
どれだけ制度や仕組みを整えても、現場の空気をつくるのは“人”です。
特に、管理者の関わり方は職場の雰囲気に大きな影響を与えます。
「忙しくて現場に出られない」「数字の管理で手一杯」という声もありますが、だからこそ、意識的に“現場にいる時間”をつくることが大切です。
スタッフの頑張りを見て、声をかけ、時には一緒に動く。
そうした姿勢が「この人のもとで働きたい」という信頼を生みます。
まとめ:「辞めない職場」は、現場の声から生まれる
人が辞めない職場には、特別な魔法があるわけではありません。
日々の小さな対話、信頼関係の積み重ね、そしてスタッフの声に耳を傾ける姿勢・・・
それらが、働き続けたいと思える環境をつくります。
「採用」だけに頼らず、「定着」に目を向けること。
それが、これからの訪問介護事業所の持続可能な運営のカギとなるのです。




