
2026年診療報酬改定では、訪問看護の「専門性」と「多職種連携」を強化する方向性が明確に示されました。
特に、精神科訪問看護・難病ケア・乳幼児ケアといった専門領域の評価が見直され、 さらにICTを活用した医療情報連携やオンライン診療の補助など、訪問看護師の役割が拡大する改定となっています。
本稿では、専門性の評価とICT活用のポイントを整理し、 これからの訪問看護ステーションに求められる体制づくりを考えます。
① 精神科訪問看護の機能強化――「管理療養費4」の新設
精神科訪問看護は、地域での生活を支える重要なサービスですが、 これまで評価が十分とは言えませんでした。
今回の改定では、 地域と連携し、支援ニーズの高い利用者を積極的に受け入れているステーションを評価する 「機能強化型訪問看護管理療養費4」が新設されます。
● 評価されるポイント
・地域の精神科医療機関との連携
・支援困難ケースの受け入れ実績
・多職種との協働体制
精神科訪問看護の専門性が、より“見える形”で評価される改定です。
② 難病・乳幼児ケアの評価見直し――専門性の高いケアを支える
● 難治性皮膚疾患の対象拡大
「在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料」の対象者が拡大し、 週4日以上の訪問看護が可能な利用者が新たに加わります。
● 乳幼児加算の見直し
乳幼児への訪問看護は高度な観察力と判断力が求められます。 今回の改定では、乳幼児加算の評価が見直され、より実態に即した評価体系へ。
専門性の高いケアを提供するステーションにとって、 収益面でも追い風となる改定です。
③ ICT・医療情報連携の推進――「訪問看護医療情報連携加算」
今回の改定の大きな柱のひとつが、ICTを活用した医療情報連携の評価です。
● 新設:「訪問看護医療情報連携加算」
医師・薬剤師などがICTで記録した診療情報を活用し、 計画的な訪問看護を行った場合に評価されます。
● オンライン診療(D to P with N)への関与
医師のオンライン診療に訪問看護師が同席するケースが増えており、 今回の改定では以下が明確化されました。
・訪問看護師の役割
・算定ルール
・緊急訪問でオンライン診療を補助した場合の評価(訪問看護遠隔診療補助料)
ICT活用は、 「効率化」ではなく「質の向上」として評価される時代に入っています。
④ 専門性×連携が求められる時代へ
今回の改定は、 「専門性の高い訪問看護」+「多職種連携」+「ICT活用」 という3つの軸が強く打ち出されています。
● ステーションが準備すべきこと
・精神科・難病・乳幼児ケアの体制整備
・ICTツールの導入・運用ルールの整備
・医療機関・薬局との連携強化
・記録の標準化と情報共有の仕組みづくり
訪問看護師の役割は、 「単独で訪問する専門職」から「地域医療をつなぐハブ」へと進化しています。




