
訪問介護事業の運営において、「現場の見えにくさ」は大きな課題のひとつです。
スタッフの動きやサービスの質、収支のバランスなど、目に見えない部分が多いため、経営判断が感覚に頼りがちになることも。
そこで注目されているのが、“見える化”の取り組みです。
今回は、経営者が押さえておきたい3つの視点から、訪問介護の見える化戦略を考えてみましょう。
① サービスの質を“見える化”する
利用者満足度やサービスの質は、数字で表しにくいものですが、まったく見えないわけではありません。
たとえば、以下のような指標を定期的に確認することで、質の傾向を把握することができます。
・利用者アンケートの結果(満足度、要望、改善点)
・クレームやヒヤリ・ハットの件数と内容
・サービス提供責任者による同行訪問の記録
これらの情報を定期的に集約・分析し、スタッフと共有することで、「何が良くて、何を改善すべきか」が明確になります。
また、ポジティブなフィードバックを可視化することで、スタッフのモチベーション向上にもつながります。
② スタッフの動きを“見える化”する
訪問介護では、スタッフが個別に動くため、勤務状況や業務の進捗が見えにくくなりがちです。
この課題を解決するには、ICTの活用が効果的です。
・スマートフォンやタブレットによる実績入力
・GPS機能を活用した訪問状況の把握
・チャットツールでのリアルタイムな情報共有
これにより、管理者は「誰が、いつ、どこで、何をしているか」を把握しやすくなり、急な対応やフォローもスムーズになります。
また、スタッフ側も「見られている」ではなく、「つながっている」と感じられるような運用がポイントです。
③ 収支のバランスを“見える化”する
経営者にとって最も気になるのが、やはり「お金」の流れです。
訪問介護は1件あたりの単価が低く、移動時間やキャンセルなどの影響も大きいため、収支のバランスを可視化することが重要です。
・サービス提供実績と報酬額の月次集計
・稼働率(スタッフ1人あたりの訪問件数)
・利益率の高いサービス種別や時間帯の分析
これらのデータをもとに、KPI(重要業績評価指標)を設定し、定期的に振り返ることで、経営の舵取りがしやすくなります。
「なんとなく赤字」「忙しいのに利益が出ない」といった感覚から脱却する第一歩です。
まとめ:見える化は“現場と経営をつなぐ橋”
見える化とは、単なる数字の羅列ではありません。
現場の努力や課題、経営の方向性を「見える」形にすることで、スタッフと経営者が同じ地図を持って進むことができるようになります。
ICTや記録の工夫、KPIの設定など、できることから一歩ずつ!
見える化は、訪問介護事業所の未来を支える大切な戦略です。




