
「全員が揃わないと始まらない会議を、毎日繰り返しているようなもの」 これは、電話やFAXに依存した情報連携の現状を表す、あるケアマネジャーの言葉です。
本稿では、こうした非効率な状況を打開するための具体的なICT活用のアプローチと、介護DXがもたらす“人間らしさの奪還”について考えてみたいと思います。
■ 非同期型ツールで“待ち時間”をなくす
情報連携における最大の課題は、「担当者の不在などでリアルタイムに情報が伝わらない(64.5%)」ことです。
この問題を解決する鍵が、チャットなどの非同期型ツールの活用です。
現在、チャット等の利用率は4割以下にとどまっていますが、導入が進めば「かけ直し」や「伝え漏れ」のリスクを大幅に削減できます。
まさに、「糸電話」から「共有掲示板」への転換です。
■ “一つの棚”で情報を共有するという発想
複数の事業所に同じ内容を何度も伝える手間(62.1%)を省くためには、全関係者が“同じ棚”で情報を共有できる仕組みが必要です。
調査では、約9割のケアマネジャーが「一つのツールでリアルタイムに情報共有できれば負担が軽減される」と回答しています。
この“共通の棚”を実現するのが、クラウド型の介護ソフトや情報共有ツールです。
情報の一元管理により、業務の重複や伝達ミスを防ぎ、ケアの質とスピードを両立させることが可能になります。
■ カイポケなどが支える“本来のケア”への回帰
こうしたICT導入の中心にあるのが、全国58,100事業所で導入されている「カイポケ」です。
単なる請求ソフトではなく、記録・連携・採用・経営支援までを一体で支えるプラットフォームとして、現場の業務効率化と質の向上を後押ししています。
調査では、業務効率化によって生まれた時間の使い道として、 「自身の労働環境の改善(40.5%)」と「利用者や家族との対話(39.4%)」がほぼ同率で挙げられました。
これは、効率化の目的が単なる“時短”ではなく、“人に向き合う時間”の創出であることを示しています。
■ まとめ:ICTは“人間らしさ”を取り戻すための道具
ケアマネジメントの現場は今、「一人で何枚もの皿を回し続けるジャグラー」のような状態です。
しかし、ICTという“共通の棚”を導入することで、皿を回す手を止め、利用者の手をしっかりと握る時間が生まれます。
介護DXは、単なる技術革新ではなく、「人間らしさの奪還」でもあります。
変化に戸惑いながらも、現場が前を向いて歩み始めている今こそ、私たち一人ひとりが“変化の担い手”として動き出すときです。
【参考URL】株式会社エス・エム・エス ホームページ




