
高市早苗首相は2025年10月24日の所信表明演説において、介護・医療分野への支援を「待ったなし」と位置づけ、報酬制度の見直しを含む早期対応の方針を明確にしました。
診療報酬・介護報酬の基本的な考え方を示すとともに、期中改定の可能性にも言及したことで、現場の期待と注目が高まっています。
介護・医療現場への支援は「待ったなし」
高市首相は演説の中で、「赤字に苦しむ医療機関や介護施設への対応は待ったなし」と強調。
物価高や賃上げの影響を適切に反映させた報酬制度の構築を目指すと述べました。
特に、2027年度の報酬改定を待たずに、補助金の前倒し措置による経営支援と職員の処遇改善を実施する意向を明言しています。
この姿勢は、過去最高件数となった介護施設の倒産や、病院の7割が赤字という現状を踏まえたものです。
期中改定の可能性と厚労省の対応
厚生労働相に就任した上野賢一郎氏も、高市首相の方針を受けて「必要な施策を補正予算に盛り込む」と表明。
医療・介護職員の処遇改善と経営支援を両立させる施策の検討が進められています。
ただし、診療報酬・介護報酬の「期中改定」については、「現段階で確定的なことは申し上げられない」と慎重な姿勢を示しており、制度的な調整や財源確保が課題となる可能性があります。
基本的な考え方:社会保障改革の柱として
高市首相は、自民党と日本維新の会の連立政権合意書に基づき、社会保障改革を物価高対策や憲法改正と並ぶ重要施策として位置づけています。
介護・医療分野については、2026年度中に具体的な制度設計を行う方針が示されており、中長期的な改革と短期的な支援の両輪で進める姿勢が見て取れます。
まとめ:現場の声を反映した柔軟な制度運用に期待
高市首相の発言は、介護・医療現場の厳しい経営環境に対する強い問題意識と、迅速な支援への意欲を示すものであり、今後の制度設計や予算措置に大きな影響を与えると考えられます。
一方で、期中改定の実施には制度的なハードルもあり、現場の声を丁寧に拾い上げながら、柔軟な運用が求められます。
制度の詳細や対応方針については、専門家への相談を通じて情報を整理し、早めの準備を進めることが重要です。




