
中山間・人口減少地域における資源再配置の可能性
介護人材の不足やサービス供給量の低下が懸念される中山間・人口減少地域では、新たな施設整備よりも、既存資源の“柔軟な活用”が重要な戦略となります。
2025年11月の社会保障審議会介護保険部会でも、既存施設の機能転換や地域資源としての再活用が議論されました。
本コラムでは、既存施設の活用に向けた課題と可能性を整理し、地域の介護インフラを守るための視点を提案します。
1. なぜ“既存施設の活用”が求められるのか
中山間地域では、介護保険施設の稼働率が低下し、空床や空きスペースが増加しています。
一方で、通所介護や訪問系サービスの拠点不足が課題となっており、既存施設の機能を柔軟に転換することで、地域ニーズに応える可能性があります。
・通所介護の拠点としての活用
・訪問看護・訪問介護の事務所機能の併設
・地域住民の交流・介護予防活動の場としての開放
“使われていない”ではなく、“使い方を変える”という発想が、地域の介護力を底上げします。
2. 機能転換に向けた制度的・運営的課題
既存施設の活用には、制度上・運営上のハードルも存在します。
・施設基準の縛り:介護保険施設としての基準が厳しく、他サービスとの併設・転換が難しい場合がある
・人員配置の課題:複数サービスを運営する場合、職員の兼務や配置基準の調整が必要
・財源・補助制度の整備:機能転換に伴う改修費や運営費への支援が不十分
こうした課題に対しては、制度の柔軟化や自治体による支援スキームの構築が求められます。
3. 地域資源としての施設の“再定義”
施設は単なる「サービス提供の場」ではなく、地域の福祉インフラとして再定義されるべきです。
特に人口減少地域では、施設が担う役割は多様化しています。
・災害時の避難所・医療支援拠点
・地域包括支援センターとの連携拠点
・多世代交流・介護予防の拠点
施設の“壁”を取り払い、地域に開かれた場として再設計することが、持続可能な介護体制につながります。
まとめ:施設は“守る”だけでなく“活かす”時代へ
介護保険施設は、地域の高齢者を支える重要な資源です。
今後は、施設の機能を柔軟に転換し、地域ニーズに応じた活用を進めることが求められます。
もし「施設の空きスペースを活用したい」「地域のニーズに応じた機能転換を検討したい」とお考えの場合は、制度の動向を踏まえつつ、専門家と連携して実現可能な活用方法を模索することをおすすめします。




