
介護現場にAIが導入されるようになり、「人の仕事が奪われるのでは?」という不安とともに、「業務が楽になるかも」という期待も広がっています。
では、実際にAIが介護をどう変えるのか――
今回は、“人にしかできないこと”と“AIに任せること”を整理しながら、ケアの本質を見つめ直してみたいと思います。
■ AIが得意なこと、苦手なこと
AIは、膨大なデータを処理したり、パターンを分析したりすることが得意です。
たとえば、バイタルの変化を検知してアラートを出したり、記録を自動で要約したり、見守りセンサーで動きを把握したりといった活用が進んでいます。
一方で、AIは「相手の気持ちを察する」「関係性を築く」「その場の空気を読む」といった、人間ならではの感覚的な判断は苦手です。
つまり、AIは“道具”としては優秀でも、“ケアの担い手”にはなれないのです。
■ 人にしかできない“ケア”とは?
介護の本質は、「人と人との関係性」にあります。
利用者の表情や声のトーンから気持ちを読み取ったり、何気ない会話から不安を感じ取ったり―― こうした“感情のケア”は、AIにはできません。
また、人生の背景や価値観を尊重しながら、その人らしい暮らしを支えることも、人にしかできない役割です。
「その人にとっての“正解”は何か」を考え、寄り添い、共に悩む――それが、介護職の専門性であり、やりがいでもあります。
■ AIに任せることで、“人に向き合う時間”を増やす
AIを導入する目的は、「人を減らすこと」ではなく、「人が本来の役割に集中できるようにすること」です。
たとえば、記録作成やルーチン業務をAIに任せることで、利用者と向き合う時間が確保できるようになります。
「AIがいるからこそ、もっと人に寄り添える」 そんな働き方が、これからの介護現場のスタンダードになっていくかもしれません。
■ まとめ:AIと“共に働く”という選択肢
AIは、介護の現場にとって“敵”ではなく、“仲間”になり得る存在です。
大切なのは、「何を任せて、何を自分たちが担うのか」をチームで考えること。 そして、AIを“使いこなす力”を育てていくことです。
次回は、実際にAIを導入・活用する際のステップや注意点について、現場目線で整理してみたいと思います。




